講師:Nurse Fight代表 植田 陽子 氏
開催日時:2022年7月1日(金) 18:00~19:30(質疑応答込)
テーマ:学校で働く看護師の役割について ―子どもの学びを支える看護―
<学習会のアンケート結果>
<感想・ご意見>
- 医療的ケア児が安心して学校教育をうけることができる環境ができると良い
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私は介護施設の看護師をしていますが、今回のお話をうかがって3つの課題を整理することができました。
①介護職との業務の連携 介護施設の主は介護です。看護は介護が専門職としての機能を発揮できるように、医療専門職として関わるのが良いと考えていますが、介護の現場ではなかなかそうはいきません。教育指導(介護)がなされるために「看護師として手持ちのピースを使って教育指導(介護)を埋めていく」といった、同じような関係性を作っていくことが大切だと感じました。
②看護師として外部からの学校支援 私が働く施設は中学校や保育園と同じ建物にあり、高齢者と子どもたちが交流できる施設になっています。特別支援学級もあるので、せっかく常に同じ建物内にいる看護職と協働できないかと考えていましたが、「学校(教育現場)に入っていく」ために必要な心構えや教員との連携の必要性を痛感しました。
③介護業界で働く看護職のつながり 介護施設で働く看護職は、病院などで経験を積んだあとに育児や子育てを経て「生活に合った働き方をしたい」と就職する人が多く、また准看護師比率も高いため、基礎教育や卒後教育で学んできた内容に差異が大きいのが現状ですが、なかなか「学ぶ」という機会が持ちにくくなっています。そのため施設独自の文化になりやすく、科学的でない看護もしばしば行われます。そういった疑問や不満を解消したり、在宅看護分野全体の看護力の底上げのためにも、Nurse Fightさんのような横のつながりを作ることも大事だと感じました。
大変参考になるお話で、あっという間の時間でした。 課題をクリアしてくために、先生のお話をヒントにしながら頑張ります。 ありがとうございました。 -
自身の子どもにも精神的な障害があり、看護師の資格を保有していることから子育てが落ち着いたら子どもの教育に携わりたいと考えています。本日の講義でいま自身ができることの道筋が見えたような気がします。 ありがとうございました。
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とても分かりやすい内容でした。
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新たな知見が満載で、改めて、学校における看護師の役割の重要性を認識いたしました。
- 学校看護師という言葉に初めてせっしました。養護教員やいわゆる”保健室の先生”とどのように違うのかが分かると、もっと理解しやすかったような気がします。初めの部分を数分聞きもらしておりましたので事前にレクチャーがあったかもしれません。
- 「子どもの学びを支える看護」一言に集約されておりますが、沢山の可能性を感じました。医療的ケア児はもちろんのこと、時代の変化に伴い学校では様々な課題や問題を抱えている実情があります。もっと学校看護師が普及して欲しいと感じました。また、子どもはもちろんのこと学校によって様々な環境や状況にあり、一人の看護師では問題解決が難しい事象が多々あると思いますので、Nurse Fightさんとのつながりはとても貴重だと感じました。大変貴重なご講演ありがとうございました。
- 労働マターとしては、出口が気になりますので、3つ、質問です。
質問①医療的ケア児の支援の出口、すなわち卒業まで、学校看護師さんがずっとケアをするのか?
質問②上記の①で卒業まで支援をするとして、その時、就職や進学等において、企業や高校、大学との連携はどのようになされているのか。特に企業は、障がい者雇用が義務付けられているが、そのために企業と学校との連携はどのようになっていて、そこへ学校の看護師や養護教諭など看護職はどのように絡んでいるのか。
質問③出口である一人前の社会人としての自立支援に向けた教育はどのように実施しているのか、また企業側に臨むことなどは何か。【講師の植田先生からのご回答】
①私が今回説明したのは義務教育の期間のみで、しかも学校においてのみになります。特別支援学校においては高等部がありますので、学校の看護師が学校においては対応をしている場合が多いですが、いわゆる高等学校においては、義務教育ではありませんので、高校側が必ずしも看護師を雇用しているとは限らないと思われます。その先の大学においても、大学側が看護師を雇用するケースは、私自身は把握していませんし、私の知る限りでは、本人や保護者が看護師を手配しているケースがある、というお話は伺った事があります。
②企業と学校の連携においては、私自身の経験が義務教育期間になりますので、詳細に把握はできておりませんが、高等学校や特別支援学校の高等部からの就職については、担任や養護教諭からしっかりとした進路指導として引き継ぎが行われていると伺った事があります。企業側への看護師の引き継ぎについては、保護者や本人を通しての引き継ぎが基本となっていると思われますが、今後、こういったケースが増える事も予想されますので、看護師同士の連携体制の構築が重要になってくると思います。
③障害者の就労支援という分野かと思います。学校教育においては「自立活動」という教科において、就労を視野に入れた教育活動が文科省の学習指導要領によって進められています。高等学校や特別支援学校の高等部では、教育から福祉へのつなぎとして、しっかりとした進路指導が行われていると伺っています。
私個人の考えとしては、企業にも多様な人材や多様な働き方が取り入れられ、障害のあるなしに関わらず、その人らしく生き生きと仕事ができる環境がある企業が増えていく事が理想だと思っております。 -
途中で退出してしまったので質問できなかったのですが、2つ質問があります。
①学校の産業医との関わりでこんなこと困っているとかうまく言っているというのがあったら教えていただきたいです。
②どのようにマネタイズされているのか?収益をどこから叩き出すのか教えていただけると嬉しいです。【講師の植田先生からのご回答】
①学校には「産業医」はおりません。学校医はいますので、もしかしたら学校医の間違いでしょうか?
学校医とは常に学校長の指示のもと養護教諭が密に連携させていただいております。
②公立の学校教育は収益を得る目的の事業ではありませんし、学校で働く看護師についても診療報酬制度や介護保険や児童福祉法の報酬にも位置付いておりませんので、学校や自治体側に報酬が入る仕組みはありません。
<今後取り上げてほしいテーマ>
- 心理的安全性について
- 職員の高齢化と労働衛生管理
- アイスブレイクになってしまうかもしれませんが、「オンライン手話講座」はどうでしょうか?学習会に参加されている方との親睦も深まるのではと感じます。
アカデミア看護研究会 事務局より
今回の学習会のテーマは「学校で働く看護師の役割について ―子どもの学びを支える看護―」。
学校で医療的ケアを実施する「医療的ケア看護職員」にフォーカスして、制度や現場組織についてなど、わかりやすくお話しいただきました。
学校において安全に医療的ケアを実施するには、役割分担を整理し、相互に連携協力しながら、教員と看護師それぞれが責任を果たしていくことが必要になってきます。
医療的ケア看護職員に対しては、今後ますます、多岐にわたってニーズが増えてくることも予想されるなかで、Nurse Fightさんの活動は課題解決につながる素晴らしい活動だと感じます。
多くの皆様にご参加いただき誠にありがとうございました。今後ともアカデミア看護研究会をどうぞよろしくお願いいたします。
アカデミア看護研究会 事務局