【レポート】第3回学習会医療・介護現場における新たなテクノロジーを活用した働き方に向けて

講師:パラマウントベッド株式会社 常務取締役 坂本郁夫様
開催日時:11月6日(金)20時~21時

<学習会のアンケート結果>

<感想・ご意見>

・貴重なお話ありがとうございました。自組織だけかもしれませんが、管理者含め看護師のICTリテラシーが低いので、便利な物があるのに使えない・使いこなせない現状に対する学習が必要なのだろうなと感じます。現場では、ICT・IOT導入しても、まだ山のように仕事がありますので、是非活用して欲しいです。活用により、若者に管理者が指導される立場になると思いますし、同じ方向に向かって非常によい関係性が構築できることにも繋がるような気がします。 働き方改革の先駆者である酒井先生のお話もお伺いでき大変素敵な時間でした。ありがとうございました。

・医療・介護の分野でのIOT活用についてパラマウントベッド社の取り組みを知る事が出来ました。

・介護施設で働く看護師です。眠りスキャンは県看護協会の介護領域部会で拝見したことがあり興味がありましたが、改めて活用方法を知ることができて勉強になりました。 コロナ禍において、入居者が発熱した場合や病院受診などの外出から施設に戻った場合、一定期間隔離のため、居室内でお過ごしいただくことになります。しかし、認知症高齢者の場合は、それを維持することが困難なことも多く、介護施設では大いに悩むところです。そのような高齢者の動向を見守るために活用するのも良いと感じました。また、そもそも外出しなくて済むように、遠隔診療で医療機関と繋いだり、統一カルテを使用出来たら素晴らしいなぁ、とぼんやり考えていました。 介護施設では「治療の場ではなく生活の場」という意識が強く、職員の中にIoTなどの導入に抵抗感を持つ者が一定数いるのも事実です。業務の統一化など、職員の意識を変えていくことから始めることになりますが、働きやすい職場=安定したケアを提供できる環境という考えを波及していきたいと思います。

・とても勉強になりました。看護師って何をしたらいいのか?中島先生が考えるこれからの看護師がすべきことを是非聞いてみたいと思いました。

・無償で大変貴重なお話を聞かせていただきました。ありがとうございました。

アカデミア看護研究会 事務局より

第3回 学習会を終えて

今回の学習会は、パラマウントベッド社が開発した「眠りスキャン」の有効活用とそのエビデンスに関する御講演でした。介護現場では導入が進んでいますが、医療現場での導入が進んでいない現状であることも興味深い点でした。なぜ進まないのかな、と考えてみると、医療現場の場合、見守りだけではない生体データの細やかな確認と専門職としての観察が必要であること、また電子カルテが複数にわたり稼動しており(例えば画像診断システム、看護支援システム、栄養支援システム、リハビリ支援システム等々が縦割りで連動できていない)、情報の一元化が進みづらいIT環境であることが要因としてあると考えられます。しかし、今後は介護現場だけでなく、看護現場も確実に人員獲得が厳しい状況となります。介護現場で進んでいる取り組みを参考にぜひ、看護・医療現場も追い付いていきたいな~っと、ちょっぴり焦燥感さえ感じられました。つまり、少しだけ厳しく換言すれば、看護師のICT・IoT技術への抵抗感や医療現場のICT・IoT化の遅れに危機感を感じていない現場があることを指摘されたような気もしました…。

また働き方改革という視点でも「眠りスキャン」は、とても有効であることがエビデンスと共に示されました。しかし、このような便利な機器をただ単に導入すれば、現場が変わるのではなく、組織全体の働き方に関する課題を認識し、何を解決するために導入するのか、その前提をしっかりと把握し、組織全体の改革と共にICT・IoT化も進めていくことの重要性もあることもお話されており、とても納得のいく学びが得られました。

この学習会をきっかけに、ずっと看護師として、健康に働き続けるための環境づくりについて、今後も一緒に考えていけたらいいなと思った学習会でした。

今後取り上げてほしいテーマ

・多職種連携って、口で言うのは簡単。でも、実際のところ、うまくいっていますか。それぞれの職種で患者目標が設定されていて、実のところ、多職種で「一人の患者」の目標が共有できているでしょうか。成功事例など伺えればありがたいです!

・医師事務作業補助者や看護補助者が増え、ICT導入など、国が考えるタスク・シフティングやタスク・シェアリングについての具体的な内容がしりたい。(机上の空論でも可)

多くの貴重なご意見ありがとうございました。

頂いたご意見を参考に、今後の運営に活用させていただきます。

アカデミア看護研究会事務局