【レポート】第29回学習会★2036年の働き方改革に向けた「きれいごと」からの脱出-看護業務への中小病院におけるBPM導入模索への模索-

講師:
東京医療保健大学東が丘看護学部看護学科
大学院看護学研究科 教授
一般社団法人 看護職の採用と定着を考える会 理事
アカデミア看護研究会 会長
中島 美津子 氏
開催日時:2023年1月6日(金) 18:00~19:30(質疑応答込)
テーマ:2036年の働き方改革に向けた「きれいごと」からの脱出-看護業務への中小病院におけるBPM導入模索への模索-

<学習会のアンケート結果>

<感想・ご意見>

  • 中島先生わかりやすい説明でした。
  • ありがとうございました。
  • 看護の標準化の川上である医療の標準化をしなければ、抜本的な改革にならないと思う。
  • 非医療・看護領域の人間としては、入坂さまのご主人の言われるように、標準化は難しいと思います(かつて、スーパーマーケットの社員の職務分析を行いましたが、職務・作業の洗い出しだけでかなりの時間を要しました)。それができる担当者の育成確保だけでもかなり大変そうです。一人一人の看護師やその周辺にいる関係者が自分の仕事(職務・作業)を言語化するだけでも、かなりのエネルギーを要するようにするように思えました。 とても面白かったです。
  • 多岐にわたる分析わかりやすかったです
  • 今までの振り返りとこれから取り組む課題を考え直す貴重な機会になりました。今回は看護部長も参加してくださいました。(やむ得ず意見交換時には退出でした。)先生の講義に感銘を受けたとおっしゃっておりました。2月もぜひ参加します。ありがとうございました。
  • 貴重な講義ありがとうございました。看護業務内容の可視化、平準化、標準化について興味深く聞かせていただきました。患者の安全・安心を確保し進めていく事ができると良いです。
  • 現在行っている研究(高齢者の上肢活動に関する量的、質的)特に、自由記述の結果から、臨床看護師さんたちの「忙しい。時間がない、時間に追われている」。この「忙しさ」を分析し、少しでも心身に余裕を作るためにタスクシェアが良いのか介護福祉士さんの活用がどのようにしたらできるのか考えていました。業務の平準化、標準化にヒントをいただきまし た。看護職だけの意見ではなく他職種からのとても良い意見が聞けました。また、現在ではなく将来的な視野から改善策を考えていくことについても大変勉強になりました。
  • はじめて参加させていただきました。中島先生、心を引き付ける内容でとても有意義な時間を過ごすことが出来ました。どうもありがとうございました。 看護は人間にしか出来ない心の仕事であるからこそ、それぞれの思いや価値観が数字ではない「あうん」の部分もあるのも確かで、AIには勝てない部分もあります。ですが、標準化や医療安全についてはどこの医療施設も手を尽くさなければ安心した医療はあり得ません。ですが、それぞれの施設での標準化の作成は手が足りず、誰かが助けてあげなければ、患者を看ながらやれることは限りがあります。そこの課題をどうしていくのか。 看護は奥深いものです。 本日はありがとうございました。
  • 先生の講義を聞くと本当に元気になります。 仕事終わり、急いで夕食を作りながら、手を止めながらですが聴講させて頂きました。 ありがとうございました。今後に役立てます。
  • 看護職、看護補助職、介護職といった領域でのタスクシフト・シェアについて、調査に基づいた示唆や問題提起のある内容で大変感銘をうけました。2024年に向け医師の働き方改革のみが注目されていますが、今後は2036年を見据えて、どの職種もwinwinの関係で幸せに働いていけるように、そのきっかけを提起するご研究とご講演でした。 お話を伺っていてワクワクしました。ありがとうございました。
  • 本日は、先生のアカデミア研究会の発表を見せていただく機会に恵まれ、とてもありがたく感謝致しております。どうもありがとうございました。 まずは題名の「きれいごと」の部分が私の脳みそにピピっと突き刺さってきて、これはぜひぜひ!と思い聞いていくうちに「そうなのよそうなのよ」と何度も頷きながら聞いておりました。感想を後日出さなければと思いますが、医療療養病床の現場は、本当に看護師が定着せずと言いますか、まともな看護師が定着できない理由のひとつがやはり「業務分担、機能別看護」への違和感が大きく影響していると私は思っています。 反対に、これしか出来ない看護師が残っていくんですよね。 また、話にでておりました看護補助者と介護士の区別。これが医療療養病床には人員基準として必要なのに、補助者への処遇改善給付金は国からでないんですよね。一応、病院なので、介護施設ではないからと言うことなのでしょうが、同じ看護部内でほぼ同じ仕事をしているのに、どちらかは給与が少ないとなれば確実に人は辞めますもの。また介護職って給料見せ合うんですよね。あの人よりなんで私が低いんだとかケンカになりますから。 標準化も絶対必要ですし、なくてはならないもの。ですが、作る時間は中の人にはないのが現状!誰か別の人が打ち込んで、作成部隊がいてくれたら、病院の業務はかなりスッキリするものなのですよね。委員会の議事録ですらやる暇なく、医者はその役目をしないことに、納得できないと思っていたことを思い出しました。 長くなりましたが、看護部の仕事はてんこ盛り。どうやって半分の人間でやれるのか、コロナのクラスターの時に、ふたりで日勤をして、ほんとに危険な行為だなと思いました。 中小病院を応援したいと言う中島先生の熱いお気持ち、本当に良くわかります。 年が明けて、新しくまた看護を違うところから提供できないか、模索中です。今日はそんな年明け一発目で目が覚めたような先生の熱い発表でした。本当にどうもありがとうございました。

<今後、取り上げて欲しいテーマ>

  • このテーマを掘り下げて欲しい。宜しくお願い致します。
  • 医療介護の連携について
  • 看護業務と必要性、多職種連携辺りの具体的な方法など。タスクシフトについても、取り上げてみてほしいと思います。
  • 今のところ、研究会で取り上げてくださるテーマを楽しみにしています。 次回の高橋先生の回も参加させて頂きます。

アカデミア看護研究会 事務局より

2023年一発目となる今回の学習会は、当研究会の理事長である中島美津子先生に講義をしていただきました。
働き方改革を推進するうえで必要となる業務プロセス改善の第一歩は問題のある業務の特定ですが、多岐に渡るプロセスをすべて把握している人はいませんし、ましてやどこに問題があるのかを特定することは困難です。看護業務内容の可視化、平準化、標準化についても業務プロセスの理解と課題の発見によってその改善へと繋がる道筋を立てることで実現していくようなイメージができました。2036年の働き方改革を前に想定されること、今後求められるアプローチについてもわかりやすく講義をしていただきました。
年始のあわただしい時期にもかかわらず、多くのみなさまにご参加いただきました。質問や意見が飛び交い、活発なディスカッションで大変有意義な時間を過ごすことができました。ご参加いただき、誠にありがとうございました。
本年もアカデミア看護研究会をどうぞよろしくお願いいたします。

アカデミア看護研究会 事務局